文化身体論 失われた日本の身体文化を 一本歯下駄で取り戻す

 
 
 
 
 
CULTURAL BODY THEORY

文化身体論 失われた日本の身体文化を
一本歯下駄で取り戻す

能楽の伝承的保存と一本歯下駄・一本下駄の機能的保存から「間」と「型」を獲得する。
西洋化によるハビトゥスを変容させ、日本人本来の身体知を現代に蘇らせる実践的理論体系。

変異
VARIATION
 
適応
ADAPTATION
 
進化
EVOLUTION
KATACHI
外形の模倣
 
MA
意味の実感
 
KATA
叡智の身体化
SCROLL
 
CHAPTER 01

日本文化に存在した
「型」の叡智

元来、日本の文化にはさまざまな「型」があった。日本における古武道では、ほぼすべての流派に独自の型とその組み合わせである型体系が存在し、修行者は型を通じて稽古を重ねてきた。「型」とは単なる動作の形式ではなく、その武道の核心となる技・業を伝える教範であり、伝統的な芸能や医学にも見られる叡智の表現と伝達の方法である。これは東洋に特徴的な事物へのアプローチといってもよい。

「型」は、武道では決められた一連の動作から構成され、それぞれの武道の核心となる技・業を伝える教範である。伝統的な芸能や医学にも見られる叡智の表現と伝達の方法であり、東洋に特徴的な事物へのアプローチといってもよい。

– 大庭良介(2021)

しかし、評論家であり伝統文化における技術の伝承についての研究家でもあった安田武は、日本文化のなかに存在した「間」と「型」が、日本の日常に薄れつつあることを指摘している。明治維新以降、日本は急速に西洋化を進める中で、靴・椅子・洋服など西洋の生活様式を取り入れた。その結果、畳に座る、下駄や草履を履く、着物を着るといった伝統的な生活習慣が失われ、それとともに日本人が長年培ってきた独特の身体感覚や身体技法も失われつつある。

教育哲学者の生田久美子は、伝統芸能の学習者の動きの習得度合いにおいて、一見同じような動きにおいても「形」と「型」の違いがあることを論じている。さらに生田は、「型」には「間」が存在しているとも論じ、この「型」と「間」への考察についてマルセル・モースの身体技法の中核概念である「ハビトゥス」の概念を用いて、身体運動を解剖学的、生理学的な観点を超えて、心理学的、社会学的考察の必要性があることを指摘している。

 
 
文化身体論
身体文化論
実践的理論

能楽を室町時代に大成させた能楽師の世阿弥や日本舞踊井上流3世の井上八千代がそうであったように、「間」と「型」がある動きには、抑制の美しさが存在し、見るものを魅了する。小さな動きの中にも奥行きのある動きがそこには存在する。現代の生活の中で薄れている「間」や「型」を身体や動きの中に組み込む、すなわち、伝統的な身体文化、身体技法を再現性あるものにすることは、人々の生活に根づいた文化として、現代の身体文化・身体技法以上の可能性を持つのではないだろうか。

「形」と「型」の本質的差異

KATACHI – FORM
外形の模倣

表層的な動きの再現。「間」が存在せず、形真似でしかないハビトゥスの傾向性。西洋化による身体図式のままに再現された動作は、見た目は同じでも内実が異なる。

意識的な動作の反復
内的な意味や文脈を欠く
西洋化によるハビトゥスが再生産
工程を増やす思考パターン
 
VERSUS
 
KATA – PATTERN
叡智の身体化

「間」が存在し、意味を内包した動作。オノマトペやイメージ、比喩までも含んだ一つの総合体として身体化され、無心で動くことができる状態。

無意識的な動作の発現
歴史・文脈・意味を内包
文化身体によるハビトゥス
環境に応対し生成し続ける
 
CHAPTER 02

身体文化論の限界
「界の不在」という問題

これまでの身体文化論研究は、数百年前の日本人の歩き方といった身体文化、ならびに身体技法の形式(形)への着目に留まっていた。定着論的に伝統的身体文化、身体技法を分析してきた身体文化論であるが、その実践においては西洋化によるハビトゥスの再生産に歯止めをかけることができないという限界が存在していた。

界(Champ)の不在

フランスの社会学者ピエール・ブルデューは、ハビトゥスを「知覚・評価・行動図式のシステム」であり、「環境との、構造化され構造する二重の関係」であると語った。ハビトゥスこそが実践における幹の部分であるが、身体文化論においては、実践における幹である西洋化によるハビトゥスの問題は放置され続け、西洋化された身体図式のままに、身体文化、身体技法が論じられてきた。これが身体文化論の限界であった。

日本の伝統的な身体文化、身体技法を獲得するための実践も、西洋化によるハビトゥスの再生産に歯止めをかける界(Champ)が不在であるなかの実践のために、西洋化によるハビトゥスが再生産されてしまう。これにより、日本の伝統的な身体文化、身体技法がいくら解明され、分析され、論じられようとも、その実践は西洋化によるハビトゥスを再生産させるという問題を指摘することができる。

仮想的界としての能楽
西洋化を相対化する視点

 
VIRTUAL CHAMP
仮想的界
CORE
型の獲得
 
西洋化によるハビトゥス
 
仮想的界(能楽)
 
文化身体によるハビトゥス

能楽という界がいかにして型による伝承を徹底しているかについて、松田は次のように論じている。「師匠の元に入門して型を学びますが、その型についての質問は一切許されない。型の意味を求めず、ひたすら与えられた型を繰り返す。そうすることによって、舞台の上で何百年前から繰り返されてきた型の意味が身体からにじみ出してくる。」能楽は、個人の主観が入り込むことを型の徹底により防ぎ、型の中に存在している言葉にできない意味を伝承している。

社会空間とは別に、価値判断を遂行する際の価値基準となり、仮想的に価値判断を委ねる界として仮想的界を設定することで、姿勢や動作の実践時に、今までは無自覚かつ無意識に西洋的価値判断がなされ、西洋化によるハビトゥスが再生産されていく場面に変化をもたらせることが可能となる。実践時において仮想的界を置くことで、能楽の世界では、果たしてこの動作は有効かどうか、この動きには能楽の構えが適用できるのではないか、という推論が生まれるようになり、西洋化によるハビトゥスの再生産に歯止めをかけることが可能となる。

仮想的な界を設定することで、西洋化によるハビトゥスの再生産に歯止めがかかり、新たな傾向性を持ったハビトゥスの獲得が可能になる。これが文化身体論の核心的提言である。

– 文化身体論の理論的枠組み
CHAPTER 03

文化身体論の三本柱
身体文化を再獲得する方法論

PILLAR 01
伝承的保存
能楽・古武道
PILLAR 02
機能的保存
一本歯下駄
PILLAR 03
言葉による認知
わざ言語
INTEGRATION
型の獲得
01
PRESERVATION
伝承的保存

能楽を仮想的な界として設定し、600年以上にわたって伝承されてきた身体技法を学ぶ。西洋化を相対化する視点を獲得し、価値判断の基準を組み替える。腰を入れる構えとすり足という能楽の代表的な身体技法は、日本の農業、宗教儀礼、武道などにおける身体技法を統合している。

能楽、古武道、茶道、華道、日本舞踊など
02
FUNCTIONAL
機能的保存

一本歯下駄・一本下駄のような伝統的道具には、身体文化が機能的に保存されている。道具を通じて体感の変化、動きを発見していく行為に没頭することで、道具の中にある機能的保存された身体文化に沿ったハビトゥスへと変容していく。道具は師匠のような導き手となる。

一本歯下駄GETTA、足半、尺八など
03
COGNITIVE
言葉による認知

「わざ言語」とは、伝統芸能や武道の世界で用いられる比喩的・感覚的な言葉である。「腰を入れる」「丹田に力を込める」といった表現は、身体感覚を言語化し、認知的な理解を促進する。オノマトペやイメージ、比喩までも含んだものを一つの総合体にしたのが「型」である。

「腰を入れる」「丹田」「すり足」など

日本と西洋の身体文化比較

日本と西洋では、身体の使い方、姿勢、動作の質において根本的な違いがある。この違いを理解することが、失われた身体文化を取り戻す第一歩となる。

比較項目 西洋の身体文化 日本の身体文化
重心位置 高い重心(胸部中心)、上半身主導の動き、「見せる」身体 低い重心(丹田・腰)、下半身主導の動き、「感じる」身体
歩行様式 かかと着地、ストライド重視、上下動が大きい 足裏全体着地、すり足・ナンバ歩き、上下動が小さい
姿勢 胸を張る、直立不動、筋肉で支える 肩を落とす、自然体、骨格で支える
呼吸法 胸式呼吸、肋骨を広げる、浅く速い呼吸 腹式呼吸、丹田を意識、深くゆっくりした呼吸
力の出し方 筋力中心、直線的な力、瞬発力重視 重力利用、螺旋的な力、持続力重視
時間感覚 拍子・リズム、等間隔の時間、メトロノーム的 間・呼吸、伸縮する時間、自然な間合い
空間認識 視覚中心、対象との距離、客観的空間 身体感覚中心、気配・雰囲気、主観的空間
身体観 心身二元論、身体は道具、機械的身体観 心身一如、身体は自己、有機的身体観
 
 
 
 
CHAPTER 04

形から型への進化
身体知深化のプロセス

KATACHI
外形の模倣
 
MA
意味の実感
 
KATA
叡智の身体化

西洋化によるハビトゥスの中で「無意識」だった実践が、仮想的界と日本の伝統的道具を手がかりに、ことば、意識、イメージを駆使した「意識」による実践によって、身体文化、身体技法を再現しつつ、比喩までも含んだものをも一つの総合体にしたのが「型」である。「型」という一つの総合体にすることで、「無意識」としての実践へと再変換されることとなる。

CHAPTER 05

一本歯下駄GETTAによる
機能的保存された身体文化の獲得

 
GETTA
一本歯下駄
重心
制御
丹田
活性
すり足
習得

形成

哲学者であり身体論者である市川浩は、精神と身体とは同じシステムの両面を成し、両義的であるため、その両義性を表すことばとして「身」を用いた。市川の「身」の捉え方は、身体と道具、文化についての関係を論じる際に重要な意味を持つ。道具が身体化されるということは、単に道具を使いこなすということではなく、道具を通じて新たな身体感覚が生まれるということである。

一本歯下駄・一本下駄GETTAは、この「道具の身体化」を促進するツールである。一本の歯という不安定な接地点が、従来の動きのパターンを破壊し、身体は強制的に「新しい動き方」を模索し始める。これは進化思考における「変異」である。そして不安定という環境に対し、身体は最適な姿勢、重心、筋活動を自己組織的に発見していく。これが「適応」である。変異と適応の往復運動によって、身体は「進化」する。

ハビトゥスの変容

一本歯下駄を履くことで、西洋化によるハビトゥスに歯止めがかかる。不安定な一本の歯が、無自覚に行っていた動作を意識化させ、日本的な身体の使い方への推論を促す。道具の中にある機能的保存された身体文化に沿ったハビトゥスへと変容していく。

身体知の獲得

微妙な差異を思考し、意識し、微妙な差異の追求の中、道具の中に機能的保存されている身体文化を推測し、感じ取っていく。道具を、生田が論じたわざ世界における師匠のような導き手として、道具から体感の変化、動きを発見していく行為に没頭していく。

間の発見

身体感覚の二重構造の働きにより、心、身体、環境、歴史、比喩表現から起こる動作といった実践に関わる全ての事柄が包括されていく中、ある時「間」に気づく。この「間」への気づきが、「無心」の領域である「型」の入り口となる。

型の形成

実践で体現した「間」の動作を自らの競技に応用して落とし込んでいくことで、自らの競技における「型」、その競技のトレーニングにおける「型」をみつけていくことが可能になる。叡智を内包させながら規範を身体化したものが文化身体論の「型」である。

競技に活きる身体技法
アスリートが実践する文化身体論

日本の伝統的身体技法は、現代のスポーツにも応用できる。文化身体論の実践によって獲得した「型」は、各競技のパフォーマンス向上に直結する。

BOXING
鎖骨フェイント技術

人間が最も速く反応できるのは鎖骨の動き。骨盤や膝ではなく、鎖骨を使った動きで相手より先に動く技術。井上尚弥選手のパンチは「引く結果、前が出る」という原理に基づく。前を出す意識はなく、反対側の動きで作る「見えないパンチ」が実現される。

実践ポイント 一本歯下駄で鎖骨と骨盤の連動を体感し、上半身と下半身の分離した制御を習得する
BASEBALL
かかと-つま先連動

前足のかかとに体重を乗せ、後ろ足のつま先で蹴る連動が飛距離を生む。ピッチングでも軸足のかかと荷重からステップ足のかかと着地、リリースでつま先への移行が重要。この連動感覚は日本の伝統的な身体の使い方そのものである。

実践ポイント 下駄で歩く際のかかと落としが、この連動感覚を自然に身につけさせる
SOCCER
骨盤上下運動の極意

下駄を履いてかかとを地面に落とす結果、膝が自然に出る。膝を出そうとせず、かかとを落とすことが先行する(0.1mmでも)。この原理がドリブルの切れを生む。酒井宏樹選手は鎖骨でディフェンス、相手の動きを先読みする技術を実践している。

実践ポイント 骨盤の上下動と鎖骨の連動により、相手より0.1秒速く動き出す
TRACK
後ろ向き歩きの法則

下駄で後ろ向きに歩くと、前を向いて歩くときよりも姿勢が良くなる現象がある。これは骨盤が自然に立ち、体幹が活性化するため。走動作の改善に直結する。落合晃選手は3年間で自己ベストを12秒更新、800m日本新記録樹立のトレーニングに活用。

実践ポイント 後ろ向き歩きで骨盤の立ち方を体感し、前向き走行に応用する
MARTIAL ARTS
雑巾絞りイメージ

右かかと・左つま先(または左かかと・右つま先)で地面を雑巾のように絞るイメージ。この対角線の力が、骨盤の回旋と体幹の安定を同時に生み出す。合気道の崩し技、剣道の踏み込み、空手の突きなど、あらゆる武道の基本動作に共通する原理。

実践ポイント 一本歯下駄で対角線の力を体感し、螺旋的な力の出し方を習得する
DAILY LIFE
生活への統合

1日2分の継続で効果は維持される。椅子に座りながらかかと-膝運動、寝ながら骨盤上下運動、歯磨きしながら片足かかと・片足つま先。いつでもどこでも実践可能。子供への指導は「忍者ごっこ」「トカゲさん」「ブラックホール」「小指で履く」などの言葉で。

実践ポイント 日常の動作に「型」を組み込むことで、無意識的な身体変容を促す
CONCLUSION

文化身体論の到達点
「間」と「型」という文化資本

西洋化によるハビトゥスの再生産を仮想的界によって歯止めをかけ、機能的保存のある道具と「ことば」を駆使することで、ハビトゥスを文化身体によるハビトゥスへと変容させることができる。このハビトゥスの変容の過程において、これまでの身体文化論においては、界の不在により存在も機能もすることができていなかった日本の伝統的な身体文化、身体技法が、初めて文化資本として資本化されるのである。

文化身体論の核心

この文化資本の到達点こそが「間」と「型」であり、文化身体論の実践とは、この文化資本の到達点を目指すものだと言える。叡智を内包する規範を身体化するものが従来の「型」とするならば、叡智を内包させながら規範を身体化したものが文化身体論の「型」である。「間」や「型」を分析するのではなく、身体化させていく過程として文化身体論の存在を明らかにした。

文化が失われれば、身体も失われる。しかし身体を取り戻せば、文化も蘇る。一本歯下駄・一本下駄GETTAは、失われた日本の身体文化を現代に蘇らせる、文化的装置なのである。進化思考の観点から言えば、一本歯下駄は身体に「変異」を与え、「適応」を促す進化の触媒である。38億年の生命進化の叡智と、1000年の日本身体文化。その全てを、あなたの足元から。

 
 

文化を身体で体感する

理論を学んだら、次は実践です。
一本歯下駄GETTAを通じて、失われた日本の身体文化を、あなたの身体で取り戻しましょう。
「間」と「型」という文化資本を獲得する旅が、ここから始まります。

一本歯下駄GETTA 宮崎要輔
一本歯下駄GETTA 宮崎要輔一本歯下駄GETTA 宮崎要輔
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はじめまして、宮崎要輔といいます。

一本歯下駄を求めてこのページに辿り着き、この文章を読まれている方は、お子さん、子供たちに対して本当に愛のあるお父さん、お母さん、指導者の方や向上心が本当に高く、感性、感覚がとても高い選手だと思います。

だからこそ、そうした子どもたちを支える周りの大人の方々の愛、向上心の高い選手の気持ちにこたえられるように、このサイトから一本歯下駄の使い方や理論、トレーニング、活動について最大限にサポートしていきたいと思います。

まず初めに私と一本歯下駄との出会い、一本歯下駄の理論について文章で紹介したいと思います。

私が、一本歯下駄との出会ったのは、約14年前でした。当時は陸上競技で100m、400m、走り幅跳びをしていたのですが、一本歯下駄を履いたのちに走った時「競技者として自分に足りなかったのはこの感覚だった」と強く衝撃を受けたのをおぼえています。

私は小学生の頃、多くの人がそうであったように歴代で1番の選手になりたいという夢を持ってスポーツに対して無我夢中の日々を過ごしていました。

どうやったらうまくなれるか、速く走れるか、そのコツは何なのか、誰よりも努力して勉強したい。そんな夢中の中にいました。おかげで小学生の頃は野球にサッカー、陸上、バスケットボールと幾つものスポーツを自分の中でありのままに思う存分に楽しむことができました。競技結果も周りからの評価も自分が楽しめば楽しむだけついてきました。

ただ、中学生になると多くの環境の変化の中でそんな自分は遠くの存在となります。一時はスポーツそのものが嫌いな時期もありました。高校生になると中学時代の空白を埋めようと誰よりも努力しましたが小学生の頃の「無我夢中の中でコツを掴む」感覚は取り戻せずにいました。

当時は、自分より身体が小さく、筋力がない選手でも自分より速く走れる選手がいることにわけがわかりませんでした。その差はセンスや才能という言葉でしか思いつきませんでした。負けじと、走り込みは勿論、ラダーやウエイトトレーニング、加圧トレーニングに、初動負荷トレーニング、ケトルベルでのトレーニングと自分にできる努力を積み重ねても一向に届きません。誰よりも速く走れて、誰よりもスポーツが得意だった小学生のあの頃の自分はどこにいったのだろうか。高校時代の私は、中学時代の空白期間になくしてしまったものは、あまりにも大きかったと思っていました。

そうした心境もある中で一本歯下駄と出会い冒頭で書いたように「競技者として自分に足りなかったのはこの感覚だった」と強く衝撃を受けたのです。

この感覚がなかったのだから、どんなに努力してもあの時の「無我夢中の中でコツを掴む」感覚にもならなければ、全国トップの選手にもなれなかったのは当然だと納得しました。

中学生の頃の自分のように環境の変化で苦しんでいる選手。高校生の頃の自分のようにどんなに努力しても伸び悩んでしまっている選手に、この一本歯下駄を届けたい。

それが今日まで私が一本歯下駄と16年以上関わり続け、唯一のスポーツ型一本歯下駄を取り扱っている理由です。

「本人の才能や努力」では突破できない「出会い」や「環境」のカベを突破できる可能性を一本歯下駄は、もっていると確信しています。

「出会い」や「環境」はそれなりの年齢になれば、自分で選ぶことができますが、子どもにとっては、なかなか理想な「出会い」や「環境」を自分で構築することは難しいです。

そしてそれもまた地域格差があります。

本人の気持ちや努力、才能というものがいくら揃おうとしも、それを理解してくれる大人や指導者との出会いがなければ何処かで潰されてしまう現実があります。一本歯下駄は、この部分を社会的に変えられると思うからこそ、ずっと続けてきました。

一本歯下駄の理論やトレーニングは勿論ですが、一本歯下駄を通してできたつながりを子どもたち、選手たちに地域の垣根をこえて届けることで一人一人の人生が今より楽しく、その人らしくあるものにしていけたらと思います。

そのために、このサイトを運営していますし、そうした機会を作るための仕組みやイベントを続けています。

今は、一本歯下駄認定インストラクター、一本歯下駄認定トレーナー、一本歯下駄愛好会といった形で、共にそうした環境をつくっていける方々と共有しながら、新たな出会いを楽しみにしています。

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